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植木 悠二; 佐伯 誠一; 柴田 卓弥; 保科 宏行; 笠井 昇; 瀬古 典明
International Journal of Organic Chemistry, 4(2), p.91 - 105, 2014/06
第4級アミン基を有する繊維状グラフト重合体は、高性能なバイオディーゼル燃料(BDF)製造用触媒として機能する。本研究では、効率的なBDF製造を可能とする繊維状グラフト重合体、及び、エステル交換反応条件の最適化を実施した。触媒性能は、トリグリセリド(TG)とエタノール(EtOH)とのバッチ式エステル交換反応により評価した。触媒に導入する最適アミノ基はトリメチルアミンであり、最適グラフト率は170%であった。エステル交換反応における各要素の最適条件を検討した結果、アミン基導入量は0.8mmol、反応温度は80C、TGとEtOHの混合比率は1:200、アルコールは1-ペンタノールでることを見出した。また、本触媒は天然油脂を出発原料とするBDF製造にも適用可能であった。更に、有機酸処理、アルカリ処理、アルコール処理を順次実施することにより、失活した触媒の活性を初期値まで回復させることに成功した。
植木 悠二; 瀬古 典明
JAEA-Review 2013-059, JAEA Takasaki Annual Report 2012, P. 53, 2014/03
量子ビームを活用して開発したバイオディーゼル燃料(BDF)製造用繊維状グラフト触媒は、市販の粒子状樹脂よりも、高効率にBDFを製造可能な触媒である。本研究では、繊維状グラフト触媒のトリグリセリド(TG)に対するエステル交換反応速度について検討を行った。トリグリセリド, エタノール(EtOH)、及び、補助溶媒であるデカンからなる標準試料を用いたバッチ式撹伴反応試験を実施したところ、いずれの反応時間においても反応溶液中には副生成物であるモノグリセリドやジグリセリドは存在せず、トリグリセリド及び主生成物であるBDFしか存在しなかった。これにより、本触媒を用いた際のBDF生成反応は二次不可逆反応に一致した。また、繊維状グラフト触媒の速度定数(k)は、市販の粒子状樹脂の速度定数の約2.5倍となることが分かった。この速度定数の差は、反応物質の輸送機構の違いに起因するものである。
齋藤 広明*; 溝手 範人*; 植木 悠二; 瀬古 典明
JAEA-Review 2013-059, JAEA Takasaki Annual Report 2012, P. 57, 2014/03
ゴム材料の表面改質法として放射線グラフト重合法は有効な手法である。しかし、過度な表面改質はゴム本来の物理的特性を失うことにも繋がるため、ゴム材料としての役割に支障をきたす恐れがある。そこで、本研究では、グラフト率とゴム特性との関係を詳細に調査し、「ゴム表面の低摩擦化」と「ゴム特性の維持」との両立の可否について検討した。ゴム基材には、カーボンブラックを配合したアクリロニトリル-ブタジエンゴムシート、モノマーには、親水性モノマーであるメタクリル酸を用いた。その結果、グラフト率2%までであれば、破断強度や永久歪といったゴム特性に影響を及ぼさず、ゴム表面を低摩擦化させることが可能であることを見出した。
壹岐 彩香*; 松浦 博孝*; 井原 敏博*; 植木 悠二; 瀬古 典明
no journal, ,
木材、藁などの植物細胞中に存在するキシロースは、糖尿病患者用甘味料(ブドウ糖代替品)あるいはキシリトール前駆体として、製薬、食品加工等の分野において幅広く利用されている。キシロースは、ホウ酸と選択的に環状エステルを形成するため、ホウ酸を不溶性高分子基体に固定化できれば、キシロースを回収可能な吸着剤を得られるものと期待される。そこで本研究では、放射線グラフト重合法によりホウ酸固定型キシロース吸着繊維の合成を試みた。キシロース吸着繊維は、ポリオレフィン繊維に4-ビニルフェニルボロン酸(VPBA)とメタクリル酸グリシジル(GMA)を共グラフトさせた後、GMAグラフト鎖をスルホン化することにより得た。共グラフト重合反応工程において、モノマー溶液中に含まれるGMA濃度の増加とともにグラフト率は上昇した。しかし、GMA比率が増加するにつれ、GMAのグラフト重合反応のみが優先的に進行し、VPBAのグラフト重合反応が抑制されることを見出した。本実験における最適なモノマー組成は、VPBA:GMA=40:60(mol%)であり、この際のグラフト率は375%、ホウ素含有量は1.712mmol-B/g、キシロース吸着容量は0.1728mmol/gとなった。また、キシロース吸着容量とホウ素含有量との間には正の相関関係があり、ホウ素含有量の10分の1が実際のキシロース吸着容量に対応することを見出した。
佐々木 昇司*; 金丸 亮太*; 松浦 博孝*; 井原 敏博*; 瀬古 典明
no journal, ,
公共用水域の富栄養化による水質汚染防止、及び、メトヘモグロビン血症などの人体への健康被害を予防する観点から、産業排水,生活排水、及び、飲料用地下水から効率よく硝酸イオンを除去する技術の開発が望まれている。本研究では、硝酸イオンに高い選択性を有する強塩基性イオン交換繊維の開発、並びに、硝酸イオンの吸脱着挙動を詳細に検討した。目的のイオン交換繊維は、ポリオレフィン繊維へのクロロメチルスチレンのグラフト重合、及び、アミノ化処理により作製した。トリアリルアミン型繊維を用いて硝酸イオンの吸着/溶離試験を検討した結果、一般的な水処理速度の15倍の処理速度でも、効率的に硝酸イオンを吸脱着することが可能であり、硝酸イオン吸着量は0.68mmol-NO/gであった。また、処理速度にかかわらず、繊維体積の70倍の0.2M NaClを通液することにより吸着した硝酸イオンを100%溶離することが可能であることが分かった。さらに、硝酸イオンの吸着量に及ぼすアンモニウム基のアルキル鎖長の影響について検討した結果、アルキル鎖長が「n=4」のトリブチルアミンを用いた場合、吸着量が最大(0.828mmol-NO/g)となることを見出した。
金丸 亮太*; 佐々木 昇司*; 松浦 博孝*; 井原 敏博*; 瀬古 典明
no journal, ,
生活廃水や工業廃水に含まれる硝酸イオンは、河川や湖沼の富栄養化や環境汚染の原因物質であり、分離除去することが望まれている。しかし、これまでの吸着剤は、吸着容量が低い、処理速度が遅い等の問題があり、硝酸イオンを選択的かつ高速に処理可能な新規吸着剤の開発が望まれている。本研究では、高速処理条件下においても硝酸イオンに高い選択性を有する強塩基性陰イオン交換繊維の開発を試みた。その結果、グラフト重合反応により、クロロメチルスチレンをポリオレフィン繊維に導入した後、トリアリルアミンを用いてアミノ化処理することにより、目的とする硝酸イオンに高い選択性を有するイオン交換繊維を作製することに成功した。本繊維は、一般的な水処理速度の150倍の高速処理条件下においても効率的に硝酸イオンを吸着除去することが可能であった。加えて、水道水の水質基準値の1.4倍の硝酸イオンを含む水(硝酸イオン濃度: 1mM)を用いて、カラム吸着試験法により性能評価を行った結果、約7分で繊維体積の185倍の水を処理することが可能でる知見が得られた。
植木 悠二; 佐伯 誠一; 瀬古 典明
no journal, ,
これまでの先行研究において、放射線グラフト重合技術により作製した繊維状グラフト重合体は、高効率なバイオディーゼル燃料(BDF)製造用触媒として機能することを見出した。しかし、本グラフト触媒は、繰り返し使用回数の増加に伴い徐々に触媒活性が低下する。そこで本研究では、失活した触媒の再生方法について検討した。触媒活性の失活原因は、真の触媒として機能する水酸化物イオンが反応溶液中に夾雑物質として含まれる有機酸や無機イオンとのイオン交換反応により触媒から脱離するためであること見出した。そこで、触媒に付着した夾雑物質の除去並びに水酸化物イオンの再固定化方法を検討した結果、クエン酸処理、アルカリ処理、エタノール処理を順次実施することにより、完全に失活した触媒であっても初期の触媒活性まで回復可能であることを見出した。また、BDF生成反応-再生処理サイクルに伴う触媒の物理的・化学的特性変化について調査したところ、反応-再生を3サイクル実施しても触媒特性に変化はなく、本触媒が長期間使用可能であることが分かった。
齋藤 広明*; 溝手 範人*; 植木 悠二; 瀬古 典明
no journal, ,
高温機材の冷却システムのひとつであるウォーターポンプでは、駆動部(モータ)がインペラ部(羽根)を回転させて冷却水を循環させている。モータとインペラの境界部分には防水用シール材が組み込まれているものの、シール材の摩擦抵抗によりインペラ回転時のモータ効率が低下する。そこで本研究では、放射線グラフト重合法を利用し、摩擦抵抗が小さく、かつ、耐摩耗性に優れたシール材の開発を試みた。シール材の基材であるカーボンブラックを配合したアクリロニトリル-ブタジエンゴムシートに対して、メタクリル酸を用いたグラフト重合処理、及び、水酸化カリウム水溶液を用いてアルカリ処理を順次実施することにより、シール材の低摩擦化を図ることに成功した。本シール材の摩擦係数は、乾燥環境下では初期値(未処理ゴム)の1/6、湿潤環境下では初期値の1/30に低下した。また、本シール材を試験機に組み込み、モータ効率への影響について検証した結果、モータ効率が1.5%向上し、吐出水量が8.9%増加することを確認した。
伊関 崇志*; 金丸 亮太*; 松浦 博孝*; 井原 敏博*; 植木 悠二; 瀬古 典明
no journal, ,
硝酸イオンによる水質汚染は、公共用水域の富栄養化やメトヘモグロビン血症などの健康被害の原因となるため、地下水からの効率的な硝酸イオン除去法の開発が望まれている。我々は、これまでにトリアミルベンジルアンモニウム基が硝酸イオンに対して高い選択性を有することを見出している。本研究では、硝酸イオン吸着特性に及ぼすトリアリルベンジルアンモニウム基のアルキル鎖の影響を調査した。また、カラム通液法により、硫酸イオン共存下における硝酸イオンの動的吸着特性評価を実施した。その結果、アルキル鎖の炭素数が「5」となるトリペンチルベンジルアンモニウム基が最も高い硝酸イオン吸着性能を示した。トリペンチルベンジルアンモニウム型イオン交換繊維を充填したカラムに、0.49mM硝酸イオン、及び、0.25mM硫酸イオンから成る試料水溶液を空間速度1000hで通液したところ、硫酸イオンの方が早く漏出し、硝酸イオンが選択的に吸着されることが分かった。本試験における硝酸イオンの5%破過点は322mL-試料水溶液/mL-繊維となり、この際の5%破過容量、及び、総吸着量はそれぞれ0.522mmol/g-繊維、及び、1.13mmol/g-繊維となった。
佐々木 昇司*; 金丸 亮太*; 松浦 博孝*; 井原 敏博*; 瀬古 典明
no journal, ,
水質汚染防止や人体への健康被害を予防する観点から、産業排水、生活排水及び飲料用地下水などから効率よく硝酸イオンを除去する技術の開発が望まれている。本研究では硝酸イオンに高い選択性を有する強塩基性陰イオン交換繊維(FTAA)の合成を試みるとともに、カラム通液試験によりFTAAの硝酸イオン吸着特性を評価した。目的とするFTAAは、クロロメチルスチレンを用いた電子線前照射液相グラフト重合、及び、それに続くトリアミルアミンによるアミン化処理により作製した。FTAA充填カラム(乾燥重量: 15.1g、湿潤体積: 72.6mL)に模擬地下水(硝酸イオン: 0.6mM)を空間速度500hで通液したところ、高流速条件下でも効率的に硝酸イオンを吸着することができ、この際の硝酸イオン吸着量は0.74mmol/g-繊維となった。また、FTAAに吸着した硝酸イオンの溶離回収試験を0.2M NaCl水溶液により実施したところ、通液速度に関係なく、FTAA体積の70倍量の溶離液を通液すれば、100%の硝酸イオンを回収可能であることが分かった。この結果から、本イオン交換繊維は、短時間で硝酸イオンが回収できること、並びに、繰り返し使用が可能であること分かった。